皆さんこんにちは。
東京都足立区を拠点に、東京都や神奈川県、埼玉県、千葉県で鳶工事などを手掛けている株式会社黒沼建設です。
皆さんは、建設現場における足場の組立・解体を、どのような職人が担っているのかご存じでしょうか? 「もちろん足場屋さんでしょう?」と考える方がいる一方、「でも鳶職の人も足場を作っているみたいだし……」と首をかしげる方もいると思われます。事実として、黒沼建設は鳶工事会社ですが、足場の組立・解体は主要な業務のひとつです。
実際のところ、「足場屋さん」というのはどういう立場の人で、鳶職人とはどのような関係にあるのでしょうか。また、そもそも鳶職人は何をする仕事なのでしょうか。ここでは「足場屋さん」と「鳶職人」の関係性や、鳶職人・足場工事の種類について解説します。
■「足場屋さん」は鳶職人の一種です
一般的に「鳶職人」とは、建設・土木工事の現場における高所作業のスペシャリストを指します。そして、いわゆる「足場屋さん」は「足場鳶」ともいい、鳶職人の一種です。つまり、鳶職人にはいろいろな種類があり、そのうち足場関係の業務を担っているのが足場屋さん=足場鳶ということになります。
足場はほとんどの建設現場において必要となり、実際に鳶職人が足場づくりを手掛けていることから、鳶職人=足場鳶というイメージがつくのは自然な話でしょう。しかし、「現場の華」とも呼ばれる鳶職人の仕事は、足場の組立・解体だけでなく、非常に広範囲にわたっているのです。そこで次の項目では、鳶職人の主な種類をご紹介します。
■鳶職人の種類
高所作業のスペシャリストである鳶職人は、担当する業務によっていくつかの種類に分けられます。主な鳶職人の種類と仕事の内容を見ていきましょう。
・足場鳶
足場鳶は、高所作業に必要不可欠な足場の組立・解体を行う仕事であり、いわゆる「足場屋さん」です。鋼管や足場板などの部材を用いて足場を組み上げ、工事が終わった後は足場を解体・撤去します。
建設現場の仕事は「鳶に始まり、鳶に終わる」と言われる通り、足場鳶は最初から最後まで建設工事に関わっています。足場は最終的に撤去されるので形に残りませんが、足場鳶が足場を組まなければ工事を進めることはできません。非常に重要な仕事といえるでしょう。
・鉄骨鳶
鉄骨鳶は、主にマンションや高層ビルなどの建設現場において、建物の骨組み部分を組み立てる仕事です。クレーンなどを使って鉄骨を吊り上げ、ボルトなどで固定することで骨組みを作ります。重い鉄骨を高所で組み上げる作業は危険度が高く、クレーンの操作にも高い技術力が必要です。現場で十分な経験を積んで初めて、一流の鉄骨鳶になることができます。
・重量鳶
重量鳶は、電気・空調・給排水設備や工場の生産設備などを、建物の内部に搬入・設置する仕事です。搬入の際にはクレーンなどの機械を使用します。時には数百トンもの重さがある精密機械を、決して破損させないよう慎重に搬入し、なおかつミリ単位の精度で設置しなければなりません。そのため、いかにも力仕事のような名称とは真逆で、とても繊細さが求められる仕事なのです。
・橋梁鳶(きょうりょうとび)
橋梁鳶は、主に橋や高速道路、さらにはダムや鉄塔などの建設に関わる仕事です。鉄骨鳶に似ていますが、大規模かつ特殊な建造物を扱うため、専門性が高いのが特徴です。
・送電鳶
送電鳶は、高所作業を行う電気工事士のことです。正式には「送電線架線工」といい、「ラインマン」とも呼ばれます。発電所から電気を送るための送電線の架線工事や、送電線の点検・保守作業が主な仕事です。送電鳶として働くためには電気工事士の資格が必須で、非常に専門性の高い仕事であり、従事する人はそれほど多くありません。
・町場鳶(まちばとび)
町場鳶は、主に戸建住宅や個人商店、町のイベント会場など、地域に根ざした小規模な仕事を請け負う鳶職人です。反対語は野丁場(のちょうば)といい、マンション・ビル・公共工事などの大規模な現場を指します。
■足場工事の種類
鳶職人の種類と仕事内容を理解したところで、今度は足場工事の内容を掘り下げてみましょう。一口に足場といっても、実にさまざまな種類があり、現場に応じて使い分ける必要があります。主な足場の種類と特徴をご紹介します。
・吊り足場
吊り足場は、文字通り上から吊り下げるタイプの足場です。主に橋梁工事やプラントなど、下から足場を組み上げるのが難しい場所で採用されます。広範囲の作業が可能で安全性が高いのもメリットですが、他の足場に比べるとやや設置が難しく、専門性が高い足場です。
・枠組足場
枠組足場は、建枠・ジャッキ・筋交・鋼製布板・手摺・アームロックといった部材を組み立てて作る足場です。組立・解体が簡単で耐久性も優れているため、足場工事で最もよく使用され、主に建物の外壁面に沿って設置されます。ただし、複雑な形状の建物や狭小地の工事には適していません。ちなみに、かつてアメリカのビティスキャホード社より輸入したことから「ビティ足場」とも呼ばれます。
・くさび式足場
くさび式足場は鋼管を支柱とし、手摺や筋交などの部材を「くさび」で緊結する足場です。ハンマー1本で簡単に組立・解体が可能で、コンパクトに結束できるため輸送コストも削減できます。複雑な形状の建物にも対応できますが、組立の際にハンマーの打撃音がするのが欠点です。一部の高層建築で使われるケースもありますが、基本的には中低層建築の工事で使われます。
・単管足場
単管足場は、単管(鉄パイプ)をクランプ(つなぎ止め金具)でつなぎ合わせて組み立てる足場です。最も歴史が古い足場で、枠組足場を設置できない狭小地や、複雑な形状の建物にも対応できます。部材の種類が少ないため組み立てが簡単で、ホームセンターで部材を簡単に購入できるのもメリットです。ただし、強度や安全性の関係で高層建築には適しておらず、もっぱら低層建築で使われます。
・次世代足場
次世代足場とは、ここまでご紹介してきた従来型の足場に替わる、文字通り次世代規格の足場の総称です。この半世紀ほどで日本人の平均身長は10cm程度伸びている他、労災事故防止のために足場の安全基準も厳しくなり、従来型の足場では作業しにくい・安全基準を満たすためにコストがかかるといった問題が目立ってきました。
そのため、従来型の足場を安全・施工・管理など多様な観点から見直し、新たに開発されたのが次世代足場なのです。基本的な特徴としては、階高が高くなったので広い空間で作業できるようになり、先行手摺(足場の組立・解体と同時に設置できる手摺)も標準装備されています。新たな法規制を踏まえて開発されているため、安全部材を別途取り付ける必要もほぼありません。
また、梱包性も優れており、保管・運搬の効率アップやコスト削減につながっています。将来的には、次世代足場が足場工事の主流になると考えられます。
・仮囲い
仮囲いは工事期間中、工事現場周辺に設置する囲いのことです。足場ではありませんが、一般的には鳶職人が設置を担当します。材料としては鋼製版や波鉄板、合板などが用いられ、場所によっては有刺鉄線などが採用される場合もあります。
仮囲いの主な目的は、作業場や資材置き場などの区画を明確にし、関係者以外の立ち入りを防ぐことです。また、資材の盗難や区画外へのはみ出し、粉塵の飛散、騒音の漏れなどを防ぐ役割もあります。周辺の景観の保護や、通行人の安全確保も重要な役割です。
もちろん、仮囲い自体が倒壊したり通行の妨げになったりしないよう、強度や安全性に配慮して設置しなければなりません。ちなみに、仮囲いの板にイラストやその地域の歴史などを印刷し、景観の保護や向上につなげる場合もあります。
■鳶職人のやりがいと将来性
鳶職人を目指している方にとって、そもそも鳶職という仕事は楽しいのか? やりがいはあるのか? といった点は大いに気になるところでしょう。また、鳶職人の将来性を心配している方も多いと思われます。そこで最後に、鳶職人のやりがいと将来性をご紹介します。
・やりがい、楽しさ
鳶職人の最大のやりがいは、建設業界を支えているという誇りを持てることです。どんなベテラン職人も、足場がなければ高所作業はできませんし、鉄骨という骨組みがなければ大きな建物は作れません。つまり、鳶職人がいなければ建設現場は成り立たないのです。自分たちが建設業界を、引いては社会を支えているという事実は、何よりの励みとなっています。
また、完成した足場や建物を見た時の達成感も、大きなやりがいを感じられる瞬間のひとつです。安全で使いやすい足場や頑丈な鉄骨を組み上げていく作業は、高度な技術が要求される上に責任も重大であり、決して簡単な仕事ではありません。それだけに、完成した時の喜びもひとしおです。自分が「この建物を作ったんだ」という充実感に浸れるでしょう。
さらに、高所を自由自在に飛び回るという仕事自体も、危険を伴う一方で非常に楽しいものです。高所になればなるほど、周囲に同じような高さの建物は少なくなり、日常生活では体験できない解放感を味わえます。肉体労働が中心のため、自然と体も鍛えられますから、運動や自分磨きが好きな方にもおすすめの仕事です。
・将来性
近年では建設機械やICT(情報通信技術)、AI(人工知能)などの発達が目覚ましく、「鳶職人も機械に仕事を奪われてしまうのでは?」と心配する方もいると思われます。しかし結論からいうと、鳶職人が機械に取って代わられることは当分ありません。なぜなら、鳶職人の仕事は高度な技術が要求されるものばかりで、機械に任せるのが難しいからです。
加えて、私たち人間が生活を続ける限り、建物の建設やリフォーム・メンテナンス工事の需要は常に発生します。つまり、鳶職人も常に必要とされるため、景気や社会情勢などにかかわらず、安定して仕事を獲得しやすいのです。しっかりと技術を身につけさえすれば、鳶職人はとても安定して働くことができ、将来性も十分にある仕事だといえるでしょう。
黒沼建設では、未経験者でも安全かつ安心して仕事ができる体制を整備しています。ベテラン職人の丁寧な指導に加えて、資格取得に必要な費用は会社が全額負担しており、自身のキャリアステージに合わせた資格を取得することが可能です。手に職をつけて安定して働きたい方は、鳶職人の世界に飛び込んでみませんか?
黒沼建設では、随時求人募集を行っています。学歴や職歴は一切不問、新卒の方や未経験者の方でも大丈夫。さらなる経験を積みたいベテラン職人の方や、将来の独立を目指す方も大歓迎ですので、ぜひお気軽にご連絡ください。皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています。
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