これまで何度か建設業界内で転職したことがあったけれども、どう説明しても自分の施工実績が具体的に伝え切れず、経験があったにもかかわらずほとんど未経験に近い待遇で採用されて不満を覚えた。
今回は、このようなことなくしっかり経験とスキルに見合った足場施工会社への転職を成功させたい!
でも、保有資格は履歴書に記載できるけれども、どのような施工現場でどのような作業をしたのか、職務経歴書にも細かく記載しきるのは難しいし・・
このようにご自身の足場職人としてのキャリアをありのままに伝えきれないことに悩む、転職希望者様のため、それを実現させるための有力ツール「建設キャリアアップシステム」をご紹介いたします。
■【納得いかん!】足場経験者なのに、なんで待遇が未経験に近い状態になることがある!?
「足場工事経験者なのに、転職したら未経験者みたいな待遇で働くことになった……」
このような事態に陥った方が、怒りや不満を覚えるのはもっともな話です。
しかし、これにはある程度やむをえない事情も絡んでいます。
経験者なのに相応の待遇で迎えてもらえない、主な理由を挙げてみましょう。
・保有資格だけでは、具体的なスキルまでは短時間で把握できない
建設業界に限らず、有用な資格を持っていたとしても、実際の現場ではその知識があまり役に立たないことも、時にはございます。
重要なのは、あくまでも仮に今現場に入ったとしても、すぐその場で活用できる実用的なスキルです。
そのため、たとえ足場に関連した多くの資格を持っていて、それらを履歴書に記載してあっても、スキルを具体的に把握するには面接時に細かく質問する必要があります。
しかし、わずか十数分間の面接では、時間があまりにも足りません。
結果として、有用な資格を持っているにもかかわらず、実力を正当に評価してもらえないという事態が起こりえるのです。
・職務経歴書に細かく施工実績を記載するにも限界が・・
自分の足場施工スキルを正確に伝えるためには、職務経歴書を作り込むという方法もあります。
確かに、職務経歴書に施工実績を細かく記載すれば、採用担当者も客観的に能力を見極められるでしょう。
しかし、ご自身がどのような現場に入り、そこでどのような作業を担当したか、こと細かく把握している方は少数派なのではないでしょうか。
「言われてみれば、いろいろな現場や作業を経験してきたけれど、具体的に何をやってきたのかうまく説明できない……」
このような方は決して少なくないはずです。
そのため、職務経歴書への記載にも限界があるといえます。
・もし自分が採用担当だったとして、面接と事前資料でどこまで相手のことがわかるか?
皆さんも、採用担当者の立場になって考えてみてください。
たった十数分間の面接と、履歴書などの事前の資料読み込みだけで、どこまで相手のことを理解できるでしょうか?
少なくとも、足場工事のスキルを正確に把握するのは難しいでしょう。
場数を踏んだ優秀な採用担当者であったとしても、やはり限界があります。
このように、求職者のスキルを正確に見極めるのは困難です。
そのため、優秀な人材を雇用できなかったり、能力に見合った待遇を与えられなかったりするケースは少なくありません。
これは建設業界における長年の課題でした。
そんな状況を改善するために導入されたのが「建設キャリアアップシステム」です。
詳しくは以下の項目で解説します。
■足場職人のキャリア、次の職場につなぐ!「建設キャリアアップシステム」とは
ここまで見てきたように、建設業界では「スキルやキャリアを客観的に伝えられない」という問題が発生していました。
これは、現在の勤務先においてはもちろんのこと、転職時には非常に大きな障害になっていたのです。
しかし、近年導入が推進されている「建設キャリアアップシステム(CCUS)」を活用すれば、足場職人のキャリアを次の職場につなぐことができます。
建設キャリアアップシステムについて詳しく見ていきましょう。
・建設キャリアアップシステム(CCUS)とは?
建設業に関わる技能者(職人)の資格・就業履歴・社会保険加入状況といったデータを登録・蓄積するシステムです。
国土交通省が推進し、2019年4月から本格運用が始まりました。
建築キャリアアップシステムの導入の背景には、建設業界の人手不足や少子高齢化があります。
近年の建設業界は深刻な人手不足に陥っており、若者の獲得もうまくいっていません。
これは、「建設業はきつい」「その割に稼げない」というイメージが広まっていることが一因と考えられます。
また、建設業の年齢別賃金(賃金カーブ)は、他の製造業に比べより早い40歳前後にピークに達しています。
つまり、管理や指導を行う熟練職人の能力が適切に評価されておらず、年を取ると賃金が下がってしまいやすいということです。
こういった問題を改善し、若い人材を獲得するためには、職人の適正な評価を実現するとともに、建設業が「生涯を通じて魅力的な職業・産業である」ことを客観的に示さなければなりません。
そこで、建設キャリアアップシステムが導入されたのです。
建設キャリアアップシステムは、技能者のキャリアや保有資格を「見える化」し、適正な処遇を受けられるようにすることを大きな目的としています。
また、建設業が魅力的な職業であることを伝えて人材を確保することや、事業者の業務負担軽減なども重要な目的です。
・建設キャリアアップシステムの使い方
建設キャリアアップシステムを使う場合、まず建設事業者が商号・現場名・工事内容などを、技能者は名前・保有資格・社会保険加入状況などをシステムに登録します。
すると、技能者には個人用の「キャリアアップカード」が発行されます。
このキャリアアップカードを、現場に入る際にICカードリーダーに読み取らせ、就業履歴を記録するという仕組みです。
技能者の資格や就業履歴といったキャリアはデータ化され、システムに蓄積されていきます。
このデータを、技能者の適正な評価やレベル分けなどに活用しようというのが基本的な考え方です。
・建設キャリアアップシステムのメリット
建設キャリアアップシステムは、技能者と建設事業者の双方に大きなメリットがあります。それぞれのメリットを見ていきましょう。
技能者側の最も重要なメリットは、賃金や金や処遇が能力に見合ったものになることです。
システムに就業履歴や保有する資格といったデータを蓄積していけば、自分の経験やスキルを「見える化」し、客観的に証明できるようになります。
その結果、会社から正当な評価を受けることができるのです。
転職する際にも、能力にふさわしい待遇が期待できます。
また、将来的には技能者の能力をレベル分けし、レベルによってカードの色を変えることも検討されています。
実現すれば、キャリアアップの目標や計画が設定しやすくなるでしょう。
さらに、終了実績が正確に管理されることで、適切な退職金を受け取れるようになるというメリットもあります。
一方、建設事業者側のメリットは、業務負担を軽減できることです。
CCUSによって技能者のスキルが「見える化」されれば採用が効率化し、ICカードにより勤怠管理も明確化されます。
入退場情報は工事完了後にも確認できるので、コンプライアンスの確保などにも役立ちます。
また、CCUS対応現場としてアピールすれば、労働環境の改善に力を入れている現場として評価され、仕事や人材の獲得につながるでしょう。
さらに、自社の従業員のキャリアやスキルも「見える化」できるので、取引先などに対し「当社にはこのような人材がいます」とアピールできます。
■転職で客観的に理解されるということは、仕事がより安定するということ
建設キャリアアップシステムを活用すると、転職先に自身のスキル・キャリアを客観的に理解してもらうことができます。
これは好条件での採用につながるだけでなく、より安定して働けるようになるのが大きなメリットです。
その理由を見ていきましょう。
・不景気における「安定」の定義、変化!終身雇用ではなく、転職前提のキャリアプランを!
何かと不安定な現代社会においては、いかに人材が不足しがちな建設業界でも、会社の倒産などによって突然職を失う可能性は否定できません。
すぐに転職できなければ、大変苦労することになるでしょう。
しかし、建設キャリアップシステムに実績を登録しておくと、スムーズに転職できる可能性が高まります。
これからの時代における「安定」の定義は、終身雇用ではありません。
突然仕事を失ったとしても、すぐに次の仕事を得られる体制を整える方が、「安定している」といわれるようになっていくでしょう。
キャリアプラン、転職前提に考える。
このような時代になってきています。
・仮に転職になっても、足場職人として引く手数多なスキルを身に付ける
建設キャリアアップシステムを活用すると、足場工事の経験や身に付けたスキルを、客観的なデータとして積み上げることができます。
これは、何らかの理由で転職しなければならなくなった時にも大いに役立ちます。
優秀な足場職人であれば、その実力をシステムで確認した同業者から高く評価され、引く手数多になるでしょう。
つまり、何かあってもすぐに次の職場が見つかるため、安心・安定して働けるようになるのです。
もちろん前提として、優れた足場工事のスキルを身に付けておく必要があります。
・施工管理の経験を積むことで、足場職人以外の道も開けるかも?
足場職人の中には、現場のリーダーである職長に昇進したり、現場全体の指揮監督を行う「施工管理」の道に進んだりする方もいるでしょう。
こういった責任者としての経験は、足場工事以外の仕事でも活かせるのが大きな魅力です。
人材のマネジメントスキルはすべての現場に共通する能力であり、それこそ建設業界以外でも、管理職や責任者には共通して求められます。
職長や施工管理としての実績を積み、建設キャリアアップシステムに記録しておくと、キャリアチェンジを目指す際にも大いに役立つでしょう。
足場工事業界はもちろん、建設業界の他の業種への転職も狙うことができます。
【まとめ】待遇面でより優遇される転職、実現!建設キャリアアップシステムで!
建設キャリアアップシステムは、「正当な評価・待遇が受けられない」という、建設業界の長年の課題を解決してくれる可能性があります。
CCUS(建設キャリアアップシステム)を活用することで、より条件のいい会社に転職でき、仕事を失った時も次の職場を見つけやすくなるでしょう。
つまり、より安心して働けるようになるのです。
皆さんも、CCUSによって自身のスキル・キャリアを客観的にアピールし、好条件での転職を目指してみてはいかがでしょうか。
黒沼建設は、経験豊富なとび職人が多く在籍し、一人一人を尊重した教育を行う制度があるため、未経験者でも安心して勤めることができます。
また、足場鳶と重量鳶、鉄骨鳶など鳶に関するすべてを手掛ける会社であり、マンションから大型施設まで施工を行うため、さまざまな現場でキャリアを積むことが可能です。
とび職に必要な資格取得支援もあり、やる気があれば大きく成長することができるでしょう。
このような支援制度も充実させ、未経験者様や一人親方のご応募もお待ちしております。
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